学校訪問

みんなキラキラ

理事・吉岡俊樹が、保護者の方の視点に立って学校・先生・児童たちの魅力をお伝えするページです。いろいろな学校のことをもっと知りたいというご要望にお応えして、新設校や今注目されている学校を訪問し、先生方にお話を伺います。

第1回

星野学園小学校
(取材:2007年5月)

星野誠 理事長・校長

星野学園小学校(埼玉県川越市)
明治30(1897)年4月、「星野女塾」として星野りちにより川越に設立された。その後、昭和28(1953)年に学校法人 星野学園として認可されている。
http://www.hoshinogakuen.ed.jp/hes/

—まず、小学校設立の経緯からお聞かせください。

星野:星野学園が創立100周年を迎えた後に中学校を開校し、そのときから小学校の設立を考えました。といいますのも、やはり我が校が理想とする全人教育を実践するには、学校教育と家庭教育をより調和させていく必要があると考えたからです。そして8年の年月をかけて小学校の設立に取り組み、おかげさまで星野学園の創立110年という記念すべき年に、小学校を開校することができました。

—御校が理想とする教育・理想とする学生像についてもう少しお聞かせください。

星野:はい。知識偏重ではなく、人間としてのモラル、体力、精神力をバランスよく兼ね備えた人づくりを目指しています。これらの要素がそろえば国際社会にあっても日本人として立派にリーダーシップを発揮していけるものと思います。けれども中学・高校の生徒たちを教えていて感じることは、「規則正しい生活習慣が出来ていない子どもたちを教育するのは非常に難しい」ということです。早起きの習慣や、挨拶、勉強する際の姿勢などは全人教育の基本であり、幼いうちから身につければ、一生の財産になります。その意味でも早い時期からの親御さんとの連携が欠かせないと考えました。
また、学力に関しては、どの子にも得手・不得手がありますから画一的な詰め込み教育に賛同しているわけではありません。とはいえ進学率や有名大学への合格者数は親御さんにとって学校判断のわかりやすい指標になりますから、そちらにも注力していますが、一人ひとりの子どもがそれぞれに得意な分野をみつけてその才能を伸ばせるような環境づくりをしています。

—星野学園では開校以来、一人も退学者を出していないと伺っています。

星野:そのとおりです。問題を起こした子がいれば退学させる――というのが学校側にとってもっとも手のかからない方法です。しかしそれは子どもを教育する立場の当事者自らが責任を放棄するのに等しいと考えますし、子どもの反省の機会が失われます。そして放校された子は別の学校でまた問題を起こしてしまうかもしれません。せっかく縁があって星野学園に入ったお子さんですから、正しい道を歩んで欲しいのです。悪い行いを反省させるためには、子どもを許すことが必要です。そして問題の原因を追求し、二度と同じ過ちをその子が犯さないように教育するのが学校の役割です。これは放任主義とは異なります。
「感謝と反省の心」は幼いときから育むべきものです。小学校の一回生を迎え、最初の道徳の時間に反省の重要性について話をしました。少し難しいかなと思いましたが、子どもたちに作文を書かせたところ、子どもなりに反省点を見つけていることがわかり、大変嬉しく思いました。このような教育を幼いうちから行う意義は大きいと感じています。

—体力づくりの必要性についてお聞かせください。

星野:生徒の学力は、在学中にかなり向上します。中学校にしても高等学校にしても、卒業時には学力は伸びています。いっぽう体力の方はなかなか思うように伸びません。実社会に出て社会生活を営む上で、気力と体力は互いに大きく影響しあいますから、子どもたちの将来のことを本気で考えると体力づくりが非常に重要なのです。そこで子どものうちから基礎体力をつけることに重点を置いています。
小学校の設立にあたって教頭に迎えたのも、星野の中学・高校で体育の指導をしていた河辺秀幸(かわべひでゆき)です。元気一杯に走り回る子どもたちに引けを取らずに走り回れる教頭がいることで、学校に活力が生まれています。また、星野学園小学校では公立の学校より体育の授業数を多く設定しており、1年生から6年生まですべての学年で週3時間を体育の授業に当てています。

—体育館、遊具場、温水プールなどの施設も充実していますね。

星野:体育の時間のみならず、遊びのなかで自ずと体力がつくような環境を意識しました。雨天でも身体を使って遊べる空間を校内に設けていますし、広大なグラウンドや木製遊具で思うままに遊ぶうちに自然と体力が養われると期待しています。

床上下可動式室内温水プール。コントローラーを操作すると床が上下するので、利用する学年によって水深を変えることができる。

—平成19(2007)年度の募集は80名で、受験者数は244名でした。平成20年度の受験数をどのように予測なさっていますか。

星野:第一回生の募集でしたから、充分にPRが行き届かない部分もありましたが、 卒業生のお子さんが応募されたり、幼児教室の先生方にもお世話になりまして順調なスタートを切れたと思います。平成20年の入学に向けては、在学生の親御さんからの口コミなども手伝って、前年ベースで昨年の倍の方々に学校説明会の申し込みをいただいています。入学を希望される親御さんたちに伺ってみると、星野学園の歴史に信頼を寄せてくださっていることがわかり、ありがたいことだと思っています。また、その信頼・信用になおいっそう応える教育環境づくりを心掛けています。

取材を終えて

女子教育では古くから定評のある学校と言うことで、女の子の学校というイメージを持つ方も多いと思います。 しかし、今回の取材を通じて、全人的な教育に心血を注ぐ正に「骨太」の学園であることを実感しました。固い信念に裏付けられた教育論をお持ちの校長先生と、新しい学校に対する情熱が沸々とわき出るような教頭先生に、大きな期待を持ちました。
ご多忙の中、快く取材に応じてくださった星野校長先生と河辺教頭先生に心より感謝いたします。ありがとうございました。(吉岡俊樹)

写真で紹介

星野学園小学校では、始業前に制服から校内着へ着替えます。きちんと制服をクローゼットにしまい、持ち物を大事に扱うよう指導がなされます。

ただ単に「ちゃんとしまいなさい」「整理整頓しなさい」と言うのではなく、見本を視覚的に示し続けることで、児童達がいつでも確認することができます。自分で正そうという意識を芽生えさせる上で、とても効果的な方法と感じました。

広い廊下とウッディなクローゼット。そして子どもの身長に合わせたベンチが目を引きます。

温かみのある木製遊具で遊んでいるうちに、自然と体力が備わります。10種類ある遊具でさまざまな遊びを工夫することによって、子ども同士の会話も広がっていきます。

共有施設利用と一環教育のイメージが一目でわかるポスターです。

音楽室には校歌が張り出されていました。