JAC幼児教育研究所

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勘の良い子に、要領の良い子に

2017年8月17日 09:00

 家庭学習では、問題の中に分からない絵が出てくるとその場で母親に聞きますし、母親も気軽に教えてやる場合が多いようです。しかし、普段こういうやり方をしている子は、実際の試験で分からない絵が出てくるとパニックになります。また、なかには、最初に全部をざっと見て、一つでも分からない絵があると不安になってしまう子もいます。家では最初に母親に確認し、安心してから始めることができますが、試験ではそれが出来ませんから、不安なまま問題に取り組むことになります。これでは、当然のことながら良い結果は期待できません。

小学校受験の問題は、選択肢に分からない絵が含まれているからと言って、必ずしも正解を導き出せないわけではありません。それどころか、やり方が分かっていれば容易に正解を見つけることさえできます。

例えば、しりとりのような「名前」が鍵になる分野の問題であっても三つの中から一つを選んで進むような形式であれば、正答以外の物の名前が不明でも全く影響ありません。正答の名前が分からなくても、他の二つの名前を知っていれば、消去法で導けます。要は、分からないものは分からないものとしてそのまま置いておき、分かるものだけを頼りに正解を選ぶということができるかどうか―――これはある種の要領であり、知恵でもあります。こういうことが自然にできる子も稀にいますが、多くの子は、知らないものや分からない問題に出会うとそれに固執して先に進めなくなってしまいますから、入試が近づくにつれ、日頃からそうした事態を想定し訓練しておくことが重要です。

そのためには、家庭学習でも、問題に取り組んでいるときには子どもの疑問にいちいち答えず、「後で教えてあげるから、とにかくやってごらんなさい。」とか、「分からなくても解けるからやってみなさい。」と促すべきです。どうしたらいいのか困っているような時でも、「分からないものは飛ばして、分かるものだけで考えてごらんなさい。」というような考え方のヒントを与えるのです。

その上で、子どもがやり終えてから、「ほら、できたじゃない。どうしてできたの?」と聞いてみます。すると子どもは、「わからないから飛ばして、次の絵を見ていったら答えが見つかったんだ」などと答えます。そこで、「よく気づいたわね。一つくらい分からないものがあったって、ちゃんと答えが分かったでしょ。」と誉めてやるのです。さらに、「もし、分かるものの中に答えがなかったらどうしたの?」と聞いてみます。すると子どもは、「これも、これも、これも違うのなら、答えはこれしかないってことだよね?」と答えます。そこで、「そう、正解!名前が分からなくても、これが何か分からなくても、他のものが違うって分かるば、これが答えだってことも分かるわよね。」と、整理してあげればいいのです。

残念なことに、子どもが出来ないことや不安になりそうなことを、先回りして解決してやる母親をよく見かけます。そういう母親は、家庭学習の際にも、子どもが分かりそうにない絵を指して「これ何かわかる?」とわざわざ聞いたり、「これ、知らないだろうけど、ヒトデっていう生き物なのよ」などと、先回りして教えたりするものです。

かし、そんなことをしていたのでは、分からないものや知らない事に出くわしたとき、自力で解決していける子には育ちません。難な状況に陥ったときでも、誰かに頼るのではなく、自分の持てる情報や力を駆使し、自力で解決していくという力は、小学校受験だけでなく、将来に渡っても生きていくために重要な力です。して、そういう力を育てるためには、幼い頃からの母親の関わり方がとても大切なのです。家庭学習の場面でも、極力自分の力で解決させるよう指導していただきたいと思います。

〜次回の掲載は9月7日(木)の予定です〜

キーワード:小学校受験

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