JAC幼児教育研究所

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模擬テストの重要性

2019年2月7日 09:00

100点だけが満点ではない

 一般的に、模擬テストの目的は、どれくらいの学力がついているかを確認し、その後の学習や志望校の選択に活用するためとされます。確かに、中学・高校・大学受験では、これが最大の目的でしょう。しかし、小学校受験の場合はそれだけではありません。合格するために不可欠な、とても大切な目的があるのです。

一つは、時間の感覚です。

小学校入試でもそれぞれの試験に制限時間が設けられていますが、幼児には、時間配分を考えてテストに取り組むなどということはできません。

そこで、それに代わるものとして、周囲の雰囲気から「みんな終わっていそうだから、急がなくちゃ」と感じたり、「まだ終わっていない人は、ちょっと急いでくださいね」といった試験官の声から「残り時間が少ないこと」を察知したりして、それに素早く対応するという“ちょっとした能力”を、本番と同じような緊張感の中で感覚的に身につけてさせておくのです。この能力は、本番でも断然有利に働きます。

さらに、試験の特殊な雰囲気に慣れることも大きな目的の一つです。

普段と違う環境にポンと放り込んで「いつも通りにやりなさい」と言っても、できないのが人間です。大人でもそうなのですから、幼児ならなおのこと。緊張のあまり、半分も力が出せない子もいます。

本人はしっかりとしていても、隣の席に座った子が「いち、に、さん、し」と声に出して数を数えたり、同じ教室内に自分がまだ終わっていないうちに「できました!」と大きな声を挙げる子がいたりすると、気になって集中力が途切れたり、焦ったりして、いつもの力が出せなくなってしまうかもしれません。また、普段女性の先生ばかりと接している子は、試験官が男性というだけで緊張してしまうかもしれません。

入試にアクシデントはつきものです。当日、何があっても動じない子にするためには、やはり数多くの模擬テストを経験し、試験の雰囲気に慣れておくことが重要です。

このように、幼児にとっての模擬テストは、力だめしとか、全体の中でどの位置にいるかということを確かめるだけの機会ではなく、試験そのものに慣れる貴重な機会、入試本番で自分の力を発揮するための訓練です。

「うちの子はまだ力がないから」と模擬テストを敬遠するお母様がいらっしゃいますが、敗を避ける生き方は、成功から逃げているのと同じです。敗からこそ多くのことを学べるのです。模擬テストは喜ぶために受けるのではなくて、できないところを見つけるために受けるのです。

実力がついていないのに一度受けたテストでたまたま良い成績を取るのは、健康診断で、悪い所があるのにそれが見つからず、「健康です」と言われているようなもの。それが喜べるのは、入学試験当日くらいです。

どんな点数であっても、一生懸命やった結果なの。それが今のその子の満点なの。100点だけが満点ではない。

  

 

〜 次回掲載は2月21日(木)の予定です。お楽しみに!〜

キーワード:小学校受験

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