JAC幼児教育研究所

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「数打ちゃ当たる」のはなぜか

2008年9月24日 18:36

合格を目指して一生懸命がんばっているご家庭を前に、「数打ちゃ当たる」とは何とも申し訳ない言い草ですが、そう言うに値する現実が存在するのも確かな事実です。 度胸試しのつもりで受けた最初の学校や、すべり止めのはずの2校目で失敗しても、3校目、4校目で合格を手にする方は、例年何人もいます。いわゆる偏差値から言えば、不合格になった学校よりも合格した学校の方がずっと高いということも珍しくありません。なぜそんなことが起きるのでしょう。
 要因の一つは、受験生が幼児だということにあります。幼児は、精神的にも肉体的にも未熟ですから、自分をコントロールすることはできません。なんとなく機嫌が悪いというだけで、日頃の力を発揮することができなくなります。最初の問題が解けなかったというだけで、最後まで不調のまま終わることもあります。何が影響するかわかりませんから、一発勝負は危険です。その点、何回もチャンスがあれば、調子の良い試験日も巡ってくるというわけです。
 さらに、何度も経験することで、試験に慣れることも大きな要因です。親も子も、最初の試験のときはガチガチに緊張してしまうものですが、回を重ねるうちに雰囲気にも慣れるし、緊張を楽しめるようにもなります。
 三つ目は、「運」です。試験と名の付くものに合格するには、少なからず「運」が要素になるものですが、とりわけ小学校入試は、その割合が大きいと言えます。例えば、行動観察などはその顕著な例と言えましょう。子どもの行動をどのように採点するかは学校によって異なりますが、実は、同じ学校であっても、担当するテスターによって多少の差異が生まれるものです。相性の良いテスターに当たるかどうか、これはもう運と言うしかありません。
 ただし、こうした背景には、周到な事前の準備と、不合格になった際のご両親の適切な対応が必要であることを忘れてはいけません。もし、準備の段階で手を抜いてしまうと、選択肢は狭まり、いくつもの学校を受験することはできなくなります。また、1校目、2校目と不合格が続いたときに、親が慌てたり、がっかりした態度を見せたりすれば、子どもは敏感に親の気持ちを察し、必要以上に気落ちして、それこそ合格できる学校まで失敗してしまうかもしれません。最後まで我が子を信じ、不本意な結果に動じないこと、そして決して諦めないことが、最後に笑うために絶対に必要な条件なのです。<2007年9月13日掲載文>

〜次回の掲載は10月9日(木)の予定です〜