JAC幼児教育研究所

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まず服装より始めよ〜当世女子校受験事情〜

2008年9月10日 17:06

女子校を志望する場合は、躾の面も大きなポイントになります。
 例えば、なんとなく身体が揺れていたり、きょろきょろしたり、自然と足が開いてしまったり、問題が解けた後も鉛筆を持ったままで手を膝に置かなかったりするのは、多くの学校でよしとしない態度です。また、授業の前後に意味もなく教室内を走り回るなど、落ち着きのない子や、「はい」「ありがとうございます」といった基本的な言葉がすぐに出てこない子、答えがわからないとすぐに首をかしげるなど自信の無い素振りを見せる子も、敬遠されそうです。
 こんな我が娘の姿を見て、呆れるばかりできちんと注意をしない母親は、小学校受験には不向きです。反対に、「なぜご挨拶しないの」、「どこを見てご挨拶しているの」、「そんな声じゃ、先生に聞こえないでしょ」「一体何回言ったらわかってくれるの?」と、朝から晩まで口うるさく注意していると、子どもは嫌気がさして、覇気が無くなるか、粗探しの名人になってしまうかもしれません。
 一番大切なことは、メリハリをつけることです。そこで、まずは家とお教室での言葉遣いや振る舞いを、意識して変えるようにしてはいかがでしょう。そして、そのための手段として、服装から変えることをお勧めします。
 以前、学習院の元初等科長の川島優先生が「初等科だより」の中で、『「外観ではなく中身で勝負」は、大人の世界のせりふです。子どもには関係ありません。子どもの場合、外観と中身がほとんど一致するからです。外観と中身は相互作用があり、子どもは特にその影響を受けやすいからです』と述べられていましたが、私はこのご意見に全面的に賛成です。子どもの内面を変えたいと思ったら、まずは形から入ることが一番の近道であることを、私は経験上知っているからです。
 そこで、教室に行くときには、しっかりとした子に見える服装、すなわち、親子で入試本番に近い服装でいらっしゃるようにしてみてはいかがでしょう。大人が、Tシャツにジーンズのときと、きちっとしたスーツを着ているときとでは、立ち居振舞いが自ずと違ってくるのと同じように、子どもも自ずとその外観に相応しい態度を取るようになっていくものだからです。
 もちろん、服装だけではありません。ハンカチやティッシュも自分で携帯し、手を洗ったらハンカチで拭き、たたんでしまうことや、汚れたらティッシュを出して拭き取るといったことも、普段から習慣づけておくことが大切です。試験の日だけ「お行儀良くしなさい」と言ったところでできるわけがありません。要は、日頃からしっかりと躾をし、いつでもきちんとした態度をとれる子どもに育てることが、何と言っても一番重要なのですから。
 いつも鼻水を垂らしている成績の良い子を、私は知りません。靴のかかとを踏んでいたり、シャツのボタンを掛け違ったりしていても平気な子が、しっかりとご挨拶する姿を見たことがありません。
 おままごとで、優しいお母様役や、しっかりとしたお姉さま役が上手にできるお子様なら、立派な生徒役も上手にこなすことでしょう。<2007年5月17日掲載文>

〜次回の掲載は7月10日(木)の予定です〜