2025.12.08 合格メソッド 学校選び 親子で準備

小学校受験における志望校を決定する上で大切なこと

小学校受験で志望校をどう決めるか――これは多くの家庭が直面する大きな課題です。第一希望への思いが強すぎると、第二・第三希望が決まらず迷いが生まれます。そんな時こそ一度原点に戻り、選択肢を考えることで冷静に判断できます。志望校決定の4つのタイプや父母の考え方の違いなどを踏まえ、子どもにより多くのチャンスを与える選び方を解説します。

小学校受験の志望校選びに迷ったときに大切なこと

保護者の中には、当初は「この私立小学校に通わせたい」「第一志望の私立小学校が不合格なら、公立小学校へ行かせよう」と考えて受験を始めたものの、準備を進めるうちに「ここまで子どもが頑張ってきたのだから、何としても合格させてあげたい」と気持ちが強くなる方もいらっしゃいます。これは自然なことですが、その強い思いが迷いを生むきっかけにもなります。
志望校選びで悩んだり迷ったりした時は一度原点に戻ることをおすすめします。志望校を決める際に最も一般的なのは、まず第1志望を決め、その後第2希望、第3希望、第4希望と、行きたい順に決めていく方法です。

ただし、この方法には注意点があります。第1希望への気持ちが強ければ強いほど、第2希望や第3希望の志望校が決めにくくなります。第1希望があまりにもキラキラしていて、入学させたいと思う魅力的な学校の場合、他の学校がどうしても色褪せて見えてしまいます。人は誰しも自分にとって最も望ましいものに対して、まだ可能性がある内は他のものに目が行かないものです。可能性がなくなったときに初めて、他の選択肢を現実的に捉えられるようになると考えます。つまり、可能性がなくなって初めて、「こちらのほうがまだ良い」という価値基準が出てきます。

公立校を基準にした小学校受験の志望校選び

小学校受験で志望校を選ぶ際に私がお勧めしているのは、まず第1希望を最初に決めることです。第1希望が決まったら、一旦すべての基準を公立小学校に戻して、その公立小学校よりも行きたい学校かを考えます。公立小学校よりも行きたい学校を仮にD校とし、第4志望の学校が決まります。D校よりも行きたかったら、C校とし、第3希望にします。さらにC校よりも行きたかったらB校…というように、1が決まったら2、3、4を決めていくのではなく、1が決まったら4、3、2と下から上がっていく感覚です。 この方法だと、第1希望に落ちた姿を想像する必要がなく、第1希望と比較する必要もないので、冷静に小学校受験の志望校を検討することができるようになります。

小学校受験での志望校の決め方は4のタイプに分かれる

1つ目は、第1希望だけを受ける「単願」です。あまり多くはありませんが、ひとつの選択肢として存在します。
2つ目は、入試日ごとに「その日の中で最も行きたい学校」を受験していく方法です。例えば、10月の3週目の火曜日に横浜にある学校の入試があれば、その前に埼玉にある学校の入試もあるかもしれません。また、都内の学校も入試日が日ごとに分かれています。様々な試験日がある日、全てにおいて、その日ごとに最も行きたい学校を受験していく選び方です。
3つ目は、第1希望、第2希望、第3希望の中でバランスを考えながら、滑り止め校も含めてバランスよく学校を受けていく方法です。
4つ目は、第1希望を決めたら、その学校の入試内容に似た学校をすべて受ける方法です。様々なタイプの学校を受けるのではなく、第1希望の準備が他の学校の受験準備にもなるような学校を選ぶという受験の仕方です。この方法も簡単ではありませんが、大きく分けて4つのタイプに分かれます。

父親が決定権を持つ場合の小学校受験の傾向

小学校受験の志望校の決定権が父親にある場合には個人差がありますが、先にお話しした1番目か2番目の方法が多い傾向にあります。父親が決定権を持つ場合、母親よりも合格を前提に考えを進めるように感じます。つまり母親よりも父親の方が合格すると思っているということです。「これだけ努力しているのだから合格できるだろう」という考え方です。そして「僕の子だから」「俺の子だから」といった感覚を持つ父親も少なくありません。更にもし公立小学校に進むことになっても、「それはそれで仕方ない」「それでもいい」と考えることが多いのも父親です。

私たちの教室に来ている保護者を見ても、私立小学校出身の父親は少数派です。中学校から私立という方は多いものの、公立小学校という方がほとんどかもしれません。父親が公立小学校出身で、今日までしっかりやってきたという自負があれば、「何が何でも小学校から私立でなければならない」という考え方を持たないのも理解できます。実際に、単願思考の父親に「本当にここしか受験しませんか? 他に受験しなくて良いですか?」と尋ねたところ、「必要なら中学受験で入ればいいので、そこまでして小学校から私立にこだわる必要はないと思っています。」という答えが返ってきました。

しかし、例えば幼稚園や保育園、そしてこの塾でさえ色々見て決めたはずですが、他の私立小学校を一切見ずに第1希望でなければ公立でいいと考えるのは、潔いを通り越し淡泊に感じられます。妥協しようというわけではなく、保護者の目で私立小学校を見て、これまで知らなかったけれども「この学校はいいね、素晴らしい学校だね。もし自分が小学生に戻れるなら、こういう学校に行ってみたかったな。」と思える学校を探すことができれば、子どもに多くのチャンスを与えることができます。

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