2025.03.13 体操 地頭力

小学校受験に体操が出題される理由

小学校受験では、なぜ体操のテストが実施されるのでしょうか?中学・高校・大学では見られないこの試験には、運動能力だけでなく、指示を正しく理解し実行する力、順番を待つ姿勢、さらには情報処理能力までが問われています。本記事では、体操が受験で重要視される理由を詳しく解説し、どのような力が評価されるのかを紐解きます。受験準備に役立つヒントも満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

ジャックの合格率の高さは体操に力を入れる教育方針が理由のひとつ

「ジャックの合格率が良いのはなぜですか?」とよく聞かれます。その理由はいくつかありますが、その中の一つとして、体操に力を入れていることが挙げられます。

小学校受験では体操のテストがありますが、中学・高校・大学の受験では体操のテストはありません。では、なぜ小学校受験には体操のテストがあるのでしょうか。

受験に体操のテストがある理由①  運動能力・身体能力の評価

まず一つ目の理由として、運動能力や身体能力を確認したいと考えている学校があるからです。身体的な発育、基礎体力を確認したいという学校です。年中や年長になると、外遊びが好きな子は幼稚園や保育園でも外で思い切り遊びますが、部屋の中の遊びが好きな子はあまり運動しないため、基礎体力に差が出てきます。家で過ごしている子は家でも室内遊びが多く、園でも園舎の中の遊びが多いため、足に力がありません。
例えば、5メートルほどのケン・ケンをすると、歩幅が狭く、足に脚力がある子は大きな歩幅でケン・ケンします。また、基本的なケン・ケン・パーはできても、ケン・グッパー、グーケン・グー・パーのようなステップで応用的な運動になると、自分の身体をうまく操ることができない子もいます。したがって、受験に向けて身体能力を高めておくことが必要になります。

受験に体操のテストがある理由②  指示の理解力・実行力をチェック

次に、運動を通じて指示されたことを、どれだけ理解してできるか確認したい学校です。テスターの指示を即座に聞き取り、その通りに機敏に動くことができるかどうかのテストです。聞く力や言葉を理解する力、それを行動に移す力が重要です。そのために集団の中で行うと、1人で実施するのは問題なくても、自分がやろうと思っている動きと周囲がやっている動きが違うと不安になります。友達の真似をしてしまい、結果として間違えます。さらに、友達の動きを見ながらやろうとするので、「用意ドン!用意始め!」と言われてもすぐにやらないで、少し友達を先に行かせて見ながらやるという習慣が身に付いてしまいます。

子どもはやることが分かっていても、周りの子と同じことをしている方が安心感があります。そのため、スタートが遅れたり、真似をして間違えてしまいます。

受験体操クラスでは一般の体操教室とは違い、こうした指示行動を通じて人の動きを見ずに、自分で思ったことを自信を持ってすることによって、見栄えの良いお子様に育っていきます。どんなに正解な動きをしていても、学校の先生はプロなので、人を見て真似しているかどうか、自信がなさそうかを見抜きます。それよりも間違えることは良くないものの、自分の思ったことができる子のほうが好印象を与えます。今日はたまたま間違えたかもしれないけれど、自分自身に自信があると感じるお子様の方がテスターの目から見ると良く映ります。

受験に体操のテストがある理由③  待機中の態度や姿勢の観察

そして、運動テストでは実技よりも、順番を待つ時間のほうが圧倒的に長いです。例えば、1グループ40人で5〜6人ずつ実施する場合、約9割の子どもは待つことになります。順番を待つ態度や先生の話を聞く見る姿勢、友達のように待つ、といった様子を試験官に見られています。つまり、ふざけずにおしゃべりせず長時間待てるか、態度や姿勢を身に付けていく必要があります。
学校側はペーパーテストで測れない態度を確認するために、体操のテストを行います。机や椅子がない状態で試験をすると、落ち着きがない子は身体を動かしたり、隣の子とおしゃべりしたり、ふざけたりするので、体操のテストを通してお子様の素の状態を確認しているのです。

受験に体操のテストがある理由④  頭の回転の速さの確認

最後は、運動を通じて頭の回転の速さを確認することもできます。聞き取った情報を高速に処理し、身体に伝達できるかが問われます。勉強においては理解していれば問題を解くことができますが、運動では理解していても必ずしも一致しません。分かっていても身体が動かないことがあります。
例えば、リズムをとる動作で、「123123の1で叩きましょう」と言われればできると思います。「3で叩きましょう」と言われると、年長ならできると思います。しかし、「2で叩きましょう」と言われると、理解できていても全く違うリズムで叩いてしまい難しくなります。次に「123を順番に叩きましょう」と言われて、意味は理解しても身体や手が動く訳ではありません。
つまり、勉強は理解すること=点数が取れることがほぼ一致していますが、体操は理解すること=体を動かせることは必ずしも一致しないということです。

体操のテストを通じて地頭の良さを測られる

学校によってはペーパーテストを実施しないところもあります。例えば、慶應義塾幼稚舎は何十年もペーパーテストを実施していません。そうした学校では、体操のテストだけでもある一定の学力まで推し量ることができると考えています。
例えば、「上・右・上・左・前・右・後ろ・左」で手を叩きます。そこに「足を上げながら、足の下で手を叩いてください」という指示を出すと、多くの子どもは「上・右・上・左…」とその次の動きの前で一度止まってから、「前…右…後ろ…左」というように動きが鈍くなります。中々情報を処理することができなくなります。同じ動きを2回繰り返す動作を10秒間でできる子は、情報処理するスピードがある方だと判断できます。このように学校も体操のテストを通じて、ある一定の地頭の良さを測ることができるのです。

聞く力、考える力、所作、情報処理能力を身に付けて地頭を良くする

ジャックでは、ペーパーを通じて学力をつけるのは当然ですが、体操を通じて、聞く力、考える力、きちんとした態度を身に付けるだけでなく、情報を処理する力があることで、地頭が良くなり、ペーパーの点数も取れるようになります。体操を通じて頭の回転を良くしていきながら、体操のテストだけでなく、ほかのテストでも点数が取れるようにしていくことを目指して体操に力を入れています。
ジャックの年長クラスではペーパー学習1時間に対して体操も1時間、1対1の割合で授業を行っています。多くの塾では体操をおまけ程度に取り入れることが多いですが、ジャックでは体操に大きな比重を置いています。それは、体操が受験において重要であることに加え、家庭では実施しづらいこと、さらに体操を通じて学力を向上させることができるというデータをもとに授業を組んでいます。

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