一流の塾の先生が備えるべき3つの条件とは？

中学受験では、本人が目的や目標をしっかり持って取り組むケースが一般的です。例えば、「志望校に合格する」「夢を実現するための第一歩を踏み出す」といった具体的な理由が挙げられます。しかし、小学校受験の場合、多くの子どもは「何のために受験をするのか」という明確な目的を持たないまま取り組むことが少なくありません。

たとえば、「1日20枚のプリントを解く」「毎日絵を描く」といった目標を掲げている子どもはいても、受験そのものの目的については理解していない場合があります。このように目的が曖昧な中であっても、「いつまでに何をするか」という目標と「何のためにするか」という目的がそろえば、子どもは継続的に努力を続けることができるのです。

教室に通う理由のひとつは、目標や目的をまだ明確に持っていない幼児でも、授業そのものが楽しいと感じられるからです。「楽しい」という感覚があれば、目的を深く考えずとも通い続けることができ、そのうち成長する中で「何のためにやるのか」という目的を理解できるようになります。

また、教室では学校に関する情報を得られるだけでなく、子ども同士で切磋琢磨する環境が用意されています。子どもたちは競争が好きなので、例え目的がはっきりしなくても授業が楽しければ、友達と一緒に取り組む中で成長し続けることができます。

私が考える一流の塾の先生に必要な条件は、次の3つです。

１．「学者」としての向上心
子どもたちに分かりやすく教える方法をしっかり学び、さらに最近の試験の傾向や内容を常にアップデートする力が求められます。学者としての姿勢は、先生自身の向上心に支えられています。

２．「易者」としての先見の明
小学校受験では、どの学校を受ければ合格できるか、また学校を受けたときに合格率がどのくらいかを見通す力が重要です。これは学んで得られるものではなく、どうしても経験値が必要になってきます。

３．「役者」としての表現力
小学校受験の先生にとって、授業を「楽しく教える」という能力はとても大切です。特に幼い子どもたちにとって、授業が楽しいものであれば、自然と集中力や学びへの興味を引き出すことができます。そのため、先生はただの教育者ではなく、芸人のように「楽しく伝える技術」を持つことが必要です。

学者としての向上心、易者としての経験値、役者としての表現力。この3つを兼ね備えた先生こそが、一流の塾の先生といえます。これらの要素を活かして、子どもたちに楽しく、そして効率的に学びを提供する先生は、小学校受験という大きな挑戦を成功に導く力を持っているのです。