ジャック合格特集 2019

理事の総括

来年への飛躍を目指して
2019年度入試の振り返り

ジャック幼児教育研究所 理事 大岡史直

OVERVIEW 今年の入試を振り返って今思うこと

今年も、慶應義塾幼稚舎76名、慶應義塾横浜初等部56名、早稲田実業学校初等部57名(2018.12.21現在)をはじめ、たくさんの子ども達が希望校に合格しました。心よりお祝いを申し上げます。

終了間もない今、実際に出題された入試問題を挙げながら、今年度の小学校入試を簡単に総括いたします。

受験者数

今年度は、押しなべて微増の学校が多かった。そのなかで目を引くのが、日程変更が増減に影響した学校。例えば、受験者が3割増の立教女学院小学校は、例年2日間にわたって実施していた入試を1日だけの入試に変更したことで受験しやすくなった。一方、2割減の東洋英和女学院小学部は、11月2日から11月1日への入試日変更により併願しにくくなったことが原因だと考えられる。

なお、新設校の東京農業大学稲花小学校は、募集人数72名に対し、*前期430名/後期370名の出願があった。(*前期・後期併願者を含む。ジャック調べ。)

学校別の準備が合格率を上げる

今年度も、学校別に準備する必要性を痛感した。象徴的な問題を挙げてみたい。

<桐蔭学園小学部 図形(回転)>
2つの丸があります。内側の丸は矢印の方向にまわり、その時に中のボールも一緒に動きます。左の絵の内側の丸の★が外側の★とピッタリ合わさった時、中のボールはどうなるのか右の絵から選んで○をつけましょう。

正解:右から2番目

<精華小学校 位置の移動>
×印の所からお約束の順番に進みます。お約束を見てください。○△□のそれぞれの形は矢印の数だけ進みます。また、その形が桃色の時は下に、黒い時は右に、緑の時は上に、青い時は左に進みます。最後に着いたところに×の印を書きましょう。左の黒丸からはじめましょう。

正解:1段目左から2マス目

<雙葉小学校 推理・思考(回転)>
動物が右に1回動いたときに果物は左に2回動きます。ウサギがパンダのいるところまで行った時、ライオンはどの果物のところに行くでしょう。その果物に○をつけましょう。

正解:りんご

どれもかなりの難問だが、桐蔭学園小学部、精華小学校、雙葉小学校では過去に似たような問題が出題されているので、早くから志望校を決め、過去問にも取り組むなどしっかりと準備してきた子ならば解けない問題ではない。この3校に限らず、特色ある問題を出す学校は多い。志望校に合わせて準備することはとても重要だと改めて思う。

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自立

学力だけでなく、年齢相応以上の自立をしているかどうかを見る学校が増えた。

<早稲田実業学校初等部(二次)>
ハンガーにかかっているパジャマを着て、布団を敷き、シーツをかけ、枕と掛布団の用意をしたら、布団に入り寝たふりをして待つ。その後、「朝ですよ」の合図で、パジャマを脱ぎ、布団はそのままにして、パジャマは元の位置に戻す。

<成蹊小学校>
指示された通りにTシャツをたたみ、箱の中に入れ、先生の指示通りに箱の蓋の穴に紐を通して結ぶ。

<暁星小学校(二次)>
スモックの着脱。机の上の紙ごみを手で集めてゴミ箱に捨てる。さらに雑巾でテーブルを拭き、バケツの水で洗って絞る。

面接においても、保護者に「休みの日の服装は誰が決めていますか」といった質問をし、保護者が過干渉になっていないかを見る学校があった。子どもをしっかりさせるためには保護者が子離れをすること。言い換えれば、いつまでも幼児扱いをしないことです。例えば、道を歩く時に保護者と手を繋がないで一人で歩かせることなど形から入ることをお勧めします。そんなことは危なくて出来ないと危惧される方もいるかもしれないが、子どもたちは一年半後には一人で一時間近くかけて通うことを考えれば、今何をしてしっかりさせるのかは自ずとわかるはずです。

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協調性

<慶應義塾幼稚舎>
4グループに分かれて島渡りゲームを行った。大小ばらばらのマットがあり、そのマットを島に見立て、周りは海という設定。グループで協力してゴールの大きな島まで全員で早く渡ったチームが勝ち。途中で海に落ちたらスタートに戻る。ただし渡るときにジャンプしてはいけない。

体操の授業でもこれと似たことをよくするが、勝ちたい気持ちが強すぎてマットを遠くに投げてしまい、ジャンプしないと渡れなかったり、小さなマットに一時的に2人が乗り、お友達を押したり、落ちないようにお友達につかまったりして共倒れになることもしばしば。なかには、落ちたのにズルをしてそのまま渡り切ってしまう子もいる。

自分のことだけではなく、どうすればチームとして勝つことが出来るかを考えて行動することは、5~6歳の子には難しい。特に競争心をあおるような塾に通っている子は、自分が勝つことしか考えないので合格から遠のいてしまう。「周りはみんなライバル」ではなく、「周りはみんな仲間」という意識を持てる子が、光る子なのだ。

きれいごとのように聞こえるかもしれないが、『みんな一緒に合格する』という気持ちが、人に優しく、思いやりを持って接することにつながるのだと思う。

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面接

聖心女子学院初等科で、「年末の大掃除の分担を、お子様とこの場で相談して決めてください」という面接が行われた。

こうした場合、子どもが「私は窓拭きをする」と最初に言い出し、「ではお父さんはお風呂掃除をしよう」と父親が言い、「お母さんは床を磨こうかな」と母親が言うなど、子どもの意見を全面的に受け入れて会話が進む家庭が多い。いけないとは言わないが、これでは相談している感じがしない。

相談とは各々が自分の意見を言い合いながら、答えを一つにまとめていくことだ。例えば、同じように子どもが「私は窓拭きをする」と言い出した場合でも、それを聞いた父親が、「○○は高い所まで手が届かないから、窓拭きはお父さんがするよ。○○は、お風呂をいつものようにピカピカにしてくれるかな?お母さんは何をする?」と話を展開し、母親がそれを受けて、「私は台所を磨くわ。あとは床ね。誰がする?」と言って、子どもの「床は広いから、みんなの掃除が終わったら、一緒に磨こうよ」といった発言を誘導するなど、いわゆる『相談』という形にもっていくこともできる。

また、「お魚が食卓にあがったとき、お子様の魚の骨は誰が取りますか」という質問をした学校もあった。

これは、保護者が過干渉になっていないかをチェックするための質問だ。もちろん、「子どもがまだ小さいので、骨のある魚を食卓に上げることはありません」とか「喉に骨が刺さったら危ないので、もちろん私がすべて取っています」などと答える保護者はいないとは思うが、まだ年長児なので、「自分で骨を取りながら食べています」と答えることにも抵抗があるだろう。(実際にやっていればそれもいいが、そんな家庭は少ないように思われる。)

しかし、自立について日ごろから関心を持っているなら、「今は危なくないように親が取っていますが、手を掛けず目をかける親になれるように、出来そうなことはもちろんのこと、まだ少し難しいことにも挑戦させ、自立を促していくことが親の務めだと感じております。魚の骨についても、小学生になったら一人で食べられるようこれから教えていきたいと思っています。」くらいのことは話せるのではないだろうか。

どちらにしても、普段の姿が試されるのが面接。日頃何もしてないのに、その場だけを取り繕うことはできないのだ。

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態度・行儀

来年受験を控えた方々が、今年の入試にどんな出題がされたのか気にするのは当然だが、あまり表面化していない態度や行儀で、思わぬ結果をもらっているお子様がいることを見逃してはならない。

ある学校では、行動観察のテストをする教室の出口にクマのぬいぐるみを置いておき、先生はその前を通るたび、なでたり軽く挨拶をしたりする。その後、子ども達が通る際に、ふざけてぬいぐるみを叩いたり、蹴ったりする子をチェックしている。

入試が終わり、受験した子に、「クマのぬいぐるみが置いてあったでしょ?」と聞くと、「あったあった、お腹にパンチしたよ」と笑顔。「なんでそんなことをしたの?」と言っても、「先生がダメと言っていないから、してもいいんだよ」とケロッとしたもの。

また、入試当日、子ども達を廊下や教室で待機させているときに、6年生に監督官を任せている学校も少なくない。先生の不足分を補うためではなく、子ども達の素の様子を見るためだ。先生が居るよりも在校生の方が、子ども達が油断するため素が出ます。ふざけている子に対して1度目は6年生が注意するが、2度目は注意せず、先生を呼んできて現場の状況を見てもらうという方法で、子ども達をチェックしている学校もある。

この10年で、保育園や英語のプレスクールから受験する子どもが増えた。幼稚園に通っている子どもの躾や態度が良いとは一概に言えないが、保育園やプレスクールは、それぞれ独自の運営・教育方針を持っており、我慢や譲るなどの協調性に重きを置かない指導を行っているところもある。そのため、各家庭でしっかりと準備する必要性を感じる。

子どもだけではなく保護者の態度も見ている学校が増えている。S校の校長先生から聞いた話を紹介しておく。

S校では、入試当日、受験票を保護者が受付に提出するのだが、先生に対する時と、事務員らしき人に対する時では、態度や接し方が極端に変わる保護者がいるとのこと。テレビドラマのように、掃除をしている用務員さんが実は校長先生だったという話ではないが、人を見て態度を変えるような保護者は人として信用できないということだろう。

余談になるが、ジャックには、フロントで青ガエルやクワガタなどの生き物を飼っている教室がある。授業前後に子ども達が見に来ては、水槽の壁にくっついてじっとしているカエルを、水槽を叩いて動かそうとする。『たたかないでね!カエルがビックリしてしまいます』と注意書きを貼っても、あまり効果は感じられない。保護者には、苦手なペーパーが1つ出来るようになるよりも、してはいけないことを我慢できるようになることの方がよっぽど合格に近づくことを理解して欲しい。

11月26日、慶應義塾横浜初等部の合格発表で、今年度の私立小学校の入試はひと段落した。神奈川県の面接が9月上旬から始まったので、2ヶ月以上の長丁場をやり切ったことになる。子どもも保護者も本当によくがんばった。

さて、次の目標は何にしよう?子ども達はすでに前を向き、新しい目標を見つけてスタートしようとしている。小学校受験を通して成長した子ども達が、今度は何を目標にがんばるのか楽しみでならない。

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卒業生へ

来年の4月に小学校に入学するみなさん、みなさんは今、どんな気持ちでいますか?ピアノやバレエやスイミングなどの習い事を始めてワクワクしている人もいれば、毎週通っていたジャックがなくなってちょっと寂しい人もいるかな?

さて、学校に入学するときの気持ちより卒業するときの気持ちはもっと大切です。

6年後、「この学校に入学して本当に良かった」と思い、お父様やお母様に「この学校に行かせてくれてありがとう」と、感謝できる人になっていてほしいと思います。そして、そのためには、君たち自身がその学校で、どんな毎日を過ごすかが大切です。

人は「過去に何があっても、今が幸せならば、あの時の悔しさがあるから今があると思える」のです。過去を今の色に変えられるように、これからは入学した学校で努力を続け、今までと同じように前を向き、進んで行くことを願っています。 ジャック魂で!

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