絵本紹介絵本紹介

ちいさなもみのき

ちいさなもみのき

文 佐久間彪
絵 かすや昌宏
至光社

あらすじ: 森のはずれに小さなもみの木が1本立っていました。ある冬、男の人がやって来て・・・

小さな小さなモミの木が、ぽつんと一本立っています。そこは、以前はモミの木の林でした。「前は、みんなでお話をしたり、歌を歌ったりして楽しかったのに、みんなはどこへ行ってしまったんだろう?」小さなモミの木の寂しそうな声を聞いた小鳥が、ロバを連れてきました。ロバは、遠くに見える街の明かりを示しながら、小さなモミの木に言いました。「明日の晩はクリスマス。君の仲間は、あそこでクリスマスツリーになっているんだ」。
その夜雪が降り、ちいさなモミの木を、かわいいかわいいクリスマスツリーにしました。翌朝それを見たロバは、「みんな集まれ、小さなモミの木の側に…」と歌いました。
歌声を聞いた森の動物達が、次々と小さなモミの木の周りに集まってきました。そして満天の星の元、みんなでクリスマスの歌を歌ったのでした。
翌朝、小さなモミの木は、まだ眠っている小鳥にそっと言いました。
「ぼく、とっても幸せ。ありがとう、本当にありがとう」

評:優しく包み込むような絵が、クリスマスの雰囲気を盛り上げます。

サンタクロースもプレゼントも出てこない、ケーキもパーティもない、厳かで静かなクリスマスの絵本です。優しく包み込むような絵が、 クリスマスの雰囲気を盛り上げます。
作者の佐久間 彪さんは、世田谷教会の現役の司祭様だそうです。彼は、商業主義的なクリスマスとは一線を隔したクリスマスの物語を、子ども達に知らせたかったのかもしれません。
年少児のクリスマスシーズンにいかがですか?