絵本紹介絵本紹介

じぶんだけのいろ(年少)

じぶんだけのいろ(年少)

作 レオ・レオニ
訳 谷川俊太郎
好学社

あらすじ: カメレオンは自分の色を持てないことを嘆きますが・・・

オウムは緑、金魚は赤、ゾウは灰色、ブタは桃色…動物はそれぞれ自分の色を持っているのに、カメレオンだけは別。周囲の色に影響されて、いろんな色に変わってしまうからです。それを嘆いた一匹のカメレオン。彼は自分の色を持ちたいと思いますが、なかなかうまくいきません。そんなとき、彼は年上の賢いカメレオンに出会います。
「どうしても自分の色を持てないのだろうか?」悩む彼に、年上のカメレオンが言います。「一緒にいれば、色は変わっても、僕らの色は同じだよ」と。そして二匹は一緒に暮らし、行く先々で同じ色になったのでした。

評:色の認識が始まった頃のお子さんと読めば、色への関心が高まりそうです

自分の色を持てないことを嘆くカメレオン。彼の悩みは、アイデンティティーの喪失です。ところが、年上のカメレオンと共に暮らすことで、自分だけが違うという孤独感から開放され、別のアイデンティティーを持つことができたようです。難しいテーマはさておき、この絵本の魅力はカラフルな色使いです。にもかかわらず、1 ページに使われている色は一色か二色。色の認識が始まった頃のお子さんと読めば、色への関心が高まりそうです。