絵本紹介絵本紹介

あさえとちいさいいもうと(年中)

あさえとちいさいいもうと(年中)

文 筒井頼子 
絵 林明子
福音館書店

あらすじ: “あさえ”は“あやちゃん”に靴を履かせ、外で一緒に遊んであげることにしましたが・・・

“あさえ”が家の前で遊んでいると、お母さんが玄関から出てきて言いました。「ちょっと銀行へ行って来るわ。すぐに帰って来るから待っていてね」。妹の“あやちゃん”は、家の中でねんねしています。
しばらくすると、“あやちゃん”の泣き声が聞こえてきました。どうやら起きたようです。“あさえ”は“あやちゃん”に靴を履かせ、外で一緒に遊んであげることにしました。
ところが“あさえ”が“あやちゃん”のためにと、夢中で道に線路を描いている間に、“あやちゃん”は勝手にどこかへ行ってしまいます。“あやちゃん”が居なくなったことに気付いた“あさえ”は大慌て。大通りから自転車のブレーキの音が聞こえれば、「あやちゃんだったら、どうしよう」と夢中で駆け出し、小さな女の子の姿を見つけれ ば、「あやちゃん!」と大きな声で叫びながら、全速力で走り寄ります。いつもお母さんと行く公園のお砂場に、“あやちゃん”の姿を見つけた“あさえ”は、“あやちゃん”を、ぎゅーっとぎゅーっと抱きしめるのでした。

評:妹を思いやる気持ちがストレートに伝わってくる絵本です

母親の留守中、ちょっと目を離したすきにいなくなってしまった妹を探す、お姉ちゃん。妹を思いやる優しい気持ちがストレートに伝わってくる、微笑ましい絵本です。
主人公の“あさえ”は4歳くらい、妹の‘“あやちゃん”は1 歳半~2歳くらいでしょうか。とても幼い姉妹ですが、妹を気遣うお姉ちゃんの姿は、もう立派な保護者です。姉妹の生き生きとした表情やしぐさには、そのときどきの気持ちが現れているのですが、とりわけ、いなくなった妹を夢中で探すシーン での“あさえ”の描写は見事です。不安で心配でどうしようもない気持ちが、“あさえ”の全身から伝わってきます。胸がしめつけられるような苦しさや、『ドキン、 ドキン』という心臓の高鳴りが聞こえてきそうです。だからこそ、子ども達は“あさえ”の気持ちを共有しつつ、 「がんばれ!」とエールを送るのです。もちろん、無事“あやちゃん”を見つけ、抱きしめるというラストシーンでの満足感は言うまでもありません。
姉妹、特に上のお子さんには、ぜひ読んであげてください。