JAC幼児教育研究所

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お友達と "せいかつ" する 〜模倣による成長〜

2014年5月12日 00:00

 お友達と過ごすキンダーガーデンクラスには、遊びや知育・製作・リトミック・体操などに加え、お弁当やお手洗いといった "せいかつ" も存在します。ちょっと覗いてみましょう。

 まずはお手洗いの時間。

 何人かのお友達が、オムツやパンツを脱ぎ始めました。みんな一生懸命。でも、入会したてのAちゃんは立ったまま首を横に振るばかり。そこで「お友達のを見に行こう」と誘ってみました。すると、見ているうちに、小さな声で「やってみる」。ついにトイレに座れました。偉い、偉い!一歩前進です。

 一方、一足先に済ませたB君は、パンツを穿くのに悪戦苦闘。ようやくできたと思ったら、あれ?片方の穴に両足が入っている、惜しいね!

 先生につかまり、片足を上げてパンツを待っているCちゃんには、「お友達を見てごらん」。たった一声で、あら不思議。すぐに真似っこして、自分で穿こうとし始めました。見渡せば教室のあちこちに、自分でやろうとする意欲があふれています。

 続いて、子供達の大好きなお弁当の時間。

 袋からお弁当箱やお箸入れ、コップを取り出し、エプロンをつける...、みんな自分で用意します。
 たった2才の子供が、一人でこんなに頑張るってすごい!「いただきます」の後しばらくは、子供達のお弁当の中身を自慢する声がとび交います。サッカーボールのおにぎり、カニさんウィンナー、お花の人参...。工夫の凝らされたお弁当には、お母様の愛もいっぱい、楽しくおいしくいただきます。

 食が細くて、いつも残してしまうDちゃん。その日、小さなお弁当箱にお母様が焦る気持ちを抑えて入れたのは、かわいいおにぎりと果物だけでした。弾けそうな笑顔で、「全部食べたよ!」と空のお弁当箱を示すDちゃん。この達成感が必ず次につながります。

 おやおや?E君のお弁当箱に、苦手なブロッコリーを発見!すかさず近くのお友達に、「ブロッコリー食べられて偉いね」と一言。するとE君、意を決してパクッ!長い間お口をモグモグさせた後でゴクリと飲み込み、「先生、ボクもえらい?」

 子供達は「〜しなきゃだめよ」なんて言われなくても、周りのお友達が、「フォークの持ち方がかっこいいね」「お箸が上手に使えるね」と誉められていると、すぐに自分も挑戦し、「先生見て、すごい?」と口にします。褒められる喜びが、頑張る気持ちの源になるのですね。


 「家では一人でやらない」とおっしゃるお母様方。そう、ここは家ではなくお教室。お友達や先生の前だから自分で頑張る!幼いながらもプライドは存在するのです

 幼児は自立の心を養うようになると、いろいろな機会や体験を通して興味や好奇心の芽を育て、お友達の言動からも敏感に刺激を受け、模倣により成長していきます。

 それにふさわしい環境づくりをしている私達ですが、実は子供達に教えられることも多く、日々感じること、それは「今日もいっぱい元気をもらったなぁ!!」なのであります。

 

 笹尾 和子 (横浜元町教室)

 

 

キーワード:育児