JAC幼児教育研究所

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いつも一緒

2014年5月 7日 00:00

 「せんせい...こんにちは」。少しはにかんだ声が聞こえました。
 扉に目を向けると、懐かしいお顔が。

 3月にキンダーガーデンを卒園し、4月に幼稚園に入園した子供達が、お母様と一緒にピカピカの制服姿を見せに教室に立ち寄ってくれました。卒園生260名の前で一人一人卒園証書をいただいた卒園式以来、一ヶ月半ぶりの再会でしたが、何だかとっても大きく見えて、もっと長い月日が経ったような錯覚を覚えました。

 「幼稚園は楽しい?」「お友達はたくさんできたの?」...、聞きたい事はつきません。
 しばらくは先生方からの質問タイム。最初は少し恥ずかしそうだった子供達も少しずつ慣れ、最後には「待ってました!」とばかりに、「あのね、えーとね...」と一生懸命に説明が始まります。ピッカピカの制服に負けず劣らず、その表情は光り輝いています。そして、そんな子どもたちの様子を微笑ましく見守っていらっしゃるお母様方。お子様の成長を実感され、本当に嬉しそうな表情を拝見し、私たちも大きな幸せを感じるひとときです。そんなとき、私の脳裏には、一年前の今頃、そう、初めてキンダーガーデンにいらしたあの日からのたくさんの思い出が、走馬灯のように巡ります。

 お母様の姿が少しでも見えなくなると、悲しくて悲しくて涙が止まらなかった頃。なかなか言葉が出てこなくて、お母様の心を悩ませたあの頃。初めての方の前では貝のように口を閉ざしてしまう恥かしがり屋さんだったあの頃。

 そんなあなた達は、キンダーガーデンの大好きなお友達と優しい先生方に囲まれて、たくさんの経験をしました。そして、たくさんの「できた!」を積み重ねて、自信を持って幼稚園に入園しました。また、お母様も初めての子育てで、幼稚園選びに悩んだり迷ったりと、無我夢中で過ごされてきたことと思います。けれど、お子様と一緒にいくつもの山を越えることで、お母様にも「これでいいのだ」という自信がついたのだと思います。心からご入園おめでとうございます!


 さて、今年もキンダーガーデンの新学期が始まりました。
たくさんの笑顔♪笑い声♪そしてちょっぴり涙...。初めての母子分離に心の準備が必要なのは、お子様だけではありません。むしろ、お母様ご自身にこそ必要なのです。
いつも一緒にいるママ、大好きなママ、絶対的信頼関係のママ、そんなママと離れる時にお子様が不安を持つのは当然です。しかし、子供達は大人が思っているよりずっとたくましく、順応しようとする力を潜在的に持っています。
ところが、お母様が不安で離れることが出来なければ、お子様はその場から飛び立つことが出来ません。お子様はお母様と離れて同年齢の集団の中でたくさんのことを学んでいきます。
お母様、どうぞお子様を信じて、自信を持って送り出してさしあげましょう。心がいつも一緒であるのなら大丈夫!

 「教育は長丁場であり、心の余裕がないと良い環境を作ってやれません。
 ときには大自然の息吹に身を委ね、緩急合わせたリズムで心身を整える事も大事です」
 (ジャック幼児教育研究所理事長 大岡久恵)

 新緑の素敵なこの季節、身も心もリフレッシュしてキラキラ輝くお母様、どうぞ子育てをお楽しみください。


橋本 恵利子 

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