絵本紹介絵本紹介

ぽとんぽとんはなんのおと(年少)

ぽとんぽとんはなんのおと(年少)

文 神沢利子       
絵 平山英三
福音館書店

あらすじ: 野原にも山にも、しんしんと雪が降り積もり・・・

野原にも山にも、しんしんと雪が降り積もっています。冬ごもりの穴の中で、クマのお母さんは、双子の坊やを産みました。
真っ暗な穴の中、耳を澄ますといろいろな音が聞こえてきます。坊や達は、まだ見ぬ世界に興味津々で、何の音かと尋ねます。お母さんは、ゆったり優しく答えていきます。

評:クマの親子を真似て、音当てごっこをしてみるのも楽しいですよ

冬ごもりするクマの親子の会話を通し、春の訪れの喜びを伝える絵本。「かーん、か一んって何の音?」「きこりが木を切る音でしょう」「ほっほー、ほっほ一って何の音?」「ふくろうの声でしょう」…といったやりとりが続く間に、穴の外では山の雪が解け、徐々に春の風情がただよい始めます。淡い色彩と柔らかいタッチの絵で表現された春の訪れには、どこかホッとさせられる優しさがあります。交互に登場するクマの親子の、いかにも仲良く寄り添っている様子にも愛情が溢れていて、好感が持てます。
時には周囲の音に耳を澄ませ、クマの親子を真似て、「ごー ご一って何の音?」、「シュッ シュッって何の音?」のように音当てごっこをしてみるのも楽しそうです。