絵本紹介絵本紹介

ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ (年少)

ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ (年少)

作 マーガレット・ワイズ・ブラウン
文 坪井郁美
絵 林明子
ペンギン社

あらすじ: ”ぼく”はおばあちゃんの家に行くために、言われたとおりまっすぐまっすぐ歩きます。

ある日、“ぼく”がお留守番をしていると、おばあちゃんから電話があり、お家に遊びに行くことになります。
「お家の前の道を真っ直ぐ行って、田舎道を真っ直ぐ、真っ直ぐ・・・」
おばあちゃんの言葉に従って、真っ直ぐ真っ直ぐ進む“ぼく”。道から逸れても気にしません。
原っぱを過ぎ、小川を渡り、丘を越えて行くと、大きな家にぶつかりました。
「ここがおばあちゃんのお家かな?」覗いたところ、馬の親子が顔を出してビックリ。
小さな家を見つけて覗いてみると、今度は犬が出てきてビックリ。入り口のない家からは、蜂が出てきてビックリ。
4軒目、恐る恐る覗いたら、優しいおばあちゃんの笑顔がありました。

評: ”ぼく”の冒険を通して成長とは何かを気づかせてくれます。

“ぼく”の小さな冒険記。全編“ぼく”の語りの形で綴られており、小さな子どもも親しめます。 そのときどきの心の動きが全身で表現されている“ぼく”の絵が、とても可愛く仕上がっているのも大きな魅力。この時期の男の子を主人公にした秀作は意外と少ないこともあり、ぜひ読んであげて欲しい作品です。
前後の見返しにある、立ち止まってはまっすぐ進む“ぼく”の足跡。見ながら、成長とはそういうものかもしれないと改めて思いました。