ジャックの絵本ジャックの絵本

『パッチン ひらめいた‼』ー なぞなぞ解けるかな?

『パッチン ひらめいた‼』ー なぞなぞ解けるかな?

02

「おはよう!」
「ふたりとも まだ ねむそうね」

03

「きのう ゆめに おとうさんが でてきたんだ」
「そうなんだ それでなんかいってた?」
「うん」

04

「このへやのなかには おかしなところが たくさんあるぞ。 いくつみつけられるかな?」

05

「それで いくつみつかった?」
「3こだよ」
「まだまだ あるよ さがして ごらん」
「いいなぁ、おにいちゃん。おとうさん、わたしにも もんだい だして」
「わかった わかった。 こんやの ゆめを おたのしみに」

 06
「そろそろ あさごはんに しましょう」
「ぼくは たまごかけ ごはん」
「わたしは だいすきな ゆでたまごを ぱくりと たべたいな」

07

「さぁ、どうぞ」
「あれあれ? どっちが なまたまご?」

08

「さて、もんだいです。ゆでたまごと なまたまご。 わらないで みわけるには どうしたら いいのかな?」

09

ごはんのうえに ゆでたまごが のったら・・・
なまたまごが おさらに おちたら・・・
「そんなの やだ やだ」

10

「とにかく いろいろ やってみよう」
「パッチン! ひらめいた!」

11

「さすが おにいちゃん」
「なんの なんの。ほかにも いろんなやりかたがあるとおもうよ」

12

「おかあさん、おはなが たいへんだよ。 おみずをあげなくちゃ」
「このはなは、みずが おおくても すくなくても かれちゃうから、ちょうどいいだけ あげてね」
「ちょうどいいって どのくらい?」

13

「では もんだいです。 おおきい じょうろは こっぷ5はいぶん。
ちいさい じょうろは こっぷ3はいぶんの みずがはいります。
この2つの じょうろを つかって おおきい はちには
こっぷ2はいぶん、ちいさい はちには 1ぱいぶん おみずをあげてくださいな」

14

「おおきい はちには2はいぶん、ちいさい はちには1ぱいぶん かぁ」
「おにいちゃん! おかあさんは 2つのじょうろを つかうっていったよね。
そこに ひんとが あるはずよ」

15

「ねぇ おにいちゃん そっちのみずを こっちにうつしてみたら?」
「こっちにみずを うつすだって!」

「じょうろの みずを こっちからこっちにうつすと・・・」
「あ~あたまのなかで ぐるぐるしちゃう」
「もういちど おちついて かんがえよう」

16

「どうする? こたえをおしえましょうか?」
「だめだめ ぜったいに いわないで」
「そういうとおもった。 でもかれちゃうとかわいそうだから きょうは おかあさんが みずをあげとくね」
「おねがいしまーす」

「ひらめくまで あきらめないで ふたりでかんがえよう」

17

「おにいちゃん いちだい ちょうだい」
「いいよ。 でも なかまはずれの みにかーにしてね」

18

「なかまはずれは どれかな?」

19

「じゃあ これもらうね」
「ええ? どうして それが なかまはずれなの?」

20

こそ こそ こそ
「なんでも なかまはずれに なるんだね」

21

「こんにちは」
「おや おつかいかい? えらいね」
「はい! おにいちゃんとなら なんでもできちゃう」

22-2

「ぱんは すき?」
「はい、だいだいだいすきです」
「それなら あんぱんとくりーむぱん を 2こずつ あげるよ、みんなでなかよく たべるんだよ」
「おじさん ありがとう」

23

「どうしたの? このぱんは?」
「ぱんやのおじさんが くれたんだ」
「おにいちゃんは あんぱん と くりーむぱん どっちにする?」
「ん~どっちも たべたい」
「おかあさんも まよっちゃうわ」
「おとうさんは どちらもたべたい」
「みんな くいしんぼう だね」

24

「ちょっとまって! どっちが あんぱんで
どっちが くりーむぱん か わからないよ」

「ほんとだ~」

25

「どうすれば、なかよく 4にんで たべることが できるかな?」

26-2

「パッチン ひらめいた!」

「あ~ おいしかった。 おなかが ぽんぽこりんになっちゃった」
「みんな だいまんぞく だね」

27-2

「きょうは いっしょに はいらないよ。おふろで およぎの れんしゅうを するんだ」
「いいなぁ、わたしも れんしゅうする」
「せまいから むりむり」
「おにいちゃんと いっしょがいい」
「わがままいうなよ、もう はだかんぼなんだから」
「おにいちゃん ばっかり ずるいー。 だったら わたしが さきにはいる」

28

「どうしたの?」
「ぼくが おふろに はいろうとしたら、 さきに はいるっていうんだよ」
「ふ~ん。 それなら みんなで じゃんけんで きめましょう」
「みんなで?」

29

「じゃん けん ぽん」 「おかあさんが いちばん」
「じゃん けん ぽん」 「つぎは おとうさんだ」
「じゃん けん ぽん」

30

がーん

31

「おにいちゃん、げんき だして。 さいごだから ゆっくりと およぎのれんしゅうが できるよ」

32

「あと すこしで ぼくの ばんだぁ」

33

「おまたせー。 おにいちゃんの ばんですよー」
「よっしゃー ぷーるのつもりで おもいきり およぐぞー」

34

「だれだよ、おふろのみずを のんだのは」
「おふろのおゆなんて だれも のまないよ」
「だって おゆが はんぶんしかないよ」

35

「なんでか なんでか わかるかな?」

36

「パッチン ひらめいた!」
「そうか、おゆを がぶがぶ のんだんじゃ なかったんだね」
「つぎは ぜったい じゃんけんに かって いちばんさきにおふろに はいるぞ」

37

「きょうも たくさん ひらめいたね」
「すーすーぐーぐー」
「おにいちゃん、もうねたの?」
「そうだ ゆめに おとうさんが でてくるんだった」
「いそいで ねなくちゃ」
「あしたも おにいちゃんに まけないように パッチンするぞ~」

38

「かんがえるって たのしいね!」
「わたしたち かんがえるのが だーいすき」

39

-あとがき-

大人になぞなぞやクイズを出題すると、ちょっと考えただけですぐに「解らないなあ」と口にし早く答えを知りたがる人と、わからなそうなのでこちらが答えを明かそうとしても「もう少し待って!」と固辞し、なかなか答えを聞きだがらない人にわかれます。その違いは、どこから来るのでしょう?

きっと、なかなか答えを聞きたがらない人は、答えを導き出した爽快感を味わったり、答えを聞いた後に、それならもう少し考えればよかったと悔しい思いをしたりした経験があるのだと思います。

反対に、すぐに答えを聞きたがる人は、なぞなぞやクイズに興味がないか、これまでの経験から、自分にはわからないと諦めているのでしょう。

「聞くはいっときの恥、知らぬは一生の恥」は、一般常識のこと。とりわけ幼児期には、あれこれいろいろ考えて、思考を巡らす遊びを体験してほしいと思います。

そのため、この本では、あえて答えを示していません。考えて考えて一つの答えにたどりつくのも立派な成功体験です。この絵本で、考えることの楽しさを、点と点がつながる一瞬間のひらめきの快感を、そして奇想天外な答えを親子で味わっていただけたら幸いです。