JAC幼児教育研究所

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合格率に惑わされるな

2019年11月7日 09:00

塾の実績は、何をもって判断すべきか

 

多くの塾の広告や入塾案内には、合格率がうたってあります。『合格率80%』の文字はとても魅力的です。これを見た母親は、「10人のうち8人が合格できるのだから、自分の子も合格できるだろう」と感じるものです。
しかし、合格率とは、単に、受験した生徒数を分母に、合格者を分子にして算出した数字に過ぎません。ですから、100人受けて80人受かった場合でも、5人受けて4人受かった場合でも、合格率は同じ80%です。また、学校には定員がありますから、定員80人の学校に100人の受験生を送り出している塾の合格率は、絶対に100%にはなりません。受験生の数が多ければ多いほど下がる傾向にあり、少なければ脅威の合格率も期待できるのが、合格率なのです。
実績は、良い塾を選ぶために重要なポイントの一つですが、その判断は慎重にすべきです。例えば前述の合格率にしても、一つの目安にはなりますが、充分な根拠には成り得ません。また、合格率が高い塾が、必ずしもあなたやあなたのお子さんにとって良い塾とも限りません。例えば、合格率に固執する塾では、「合格は難しい」と判断した子に対し、合格できそうな学校に変えるよう指導するケースが多いため、本当に望む学校を受験しにくくなることもあります。私の経験から言えば、合格が難しいと思っていた子が合格したり、合格するだろうと思っていた子が残念な結果に終わることは珍しくないにも関わらずです。また、合格者数を実数で示している塾もありますが、その場合には、本当にその塾の授業で力をつけた生徒の数なのかが問題です。なかには、たった一度模擬試験を受けたご家庭にまで電話をし、合否を確認して実績にしてしまう塾もあるのですから、油断は禁物です。

一方、小学校受験という狭い世界での塾は、大学受験の予備校とは違います。TVCMやマスコミへの広告で入会される方もいらっしゃいますが、多くの方々は、どなたかの紹介で来られます。つまり口コミが大きな力を持つ世界なのです。ということは、生徒数が増えている塾=(イコール)紹介者の多い塾、すなわち、評判の良い塾であるという図式も成り立ちます。
このように、塾の実績は、表面的な数字で簡単に判断すべき問題ではありません。過去3〜4年間、どのくらいの生徒が通っていたか、志望する学校を何人が受験して、そのうち何人が合格したのか、などを把握することも大切ですが、最後に信じるべきは、やはり自分の目。塾を訪ね、先生方と話をしたり、実際の授業を見学したり、子どもにも授業を体験させてみたりする中で、どれだけの生徒が集まってきて、どのような授業が行なわれているのかを確認すること。さらには、授業の雰囲気や参観している保護者の満足度などを、肌で感じ取ることが、非常に重要なのです。

 

 

〜次回の掲載は11月14日(木)の予定です〜

キーワード:小学校受験