JAC幼児教育研究所

HOME > Yardage Post

子どもは覚えるのも早いが、忘れるのも早い

2019年9月19日 09:00

例年、10月、11月に行なわれる小学校入試。受験を控えた9月、10月は、最終調整を行う、非常に大切な時期です。

ところが、この時期にきて急にペースダウンするご家庭が意外に多いのも事実です。それまで一生懸命に頑張ってきた家庭学習の時間も少なくなり、何となく過ごしてしまう傾向が、多くのご家庭で見られます。なぜでしょう?不思議に思い、理由を考えてみました。

まず第一に、願書や面接の対策で母親が手一杯になって、子どものことにまで手が回らなくなってしまうというケース。この時期になると、願書を書いたり、面接の準備を始めなければならなかったりと、母親自身も受験のための準備をしければならなくなることが背景にあります。

第二に、「こんなことなら、いっそやらない方がいいのではないか」と思うようになり、敢えて勉強をしなくなるケース。家庭学習をすれば、できなかったり、忘れていたりという現実を突きつけられることになります。すると、母親はいつも以上にイライラしますし、「他の問題は大丈夫だろうか」「こんなことで本当に合格できるのだろうか」と不安にもなります。「怒ってはいけない」とは分かっていても、結局は我慢しきれず怒ってしまい、「もうすぐ試験だというのに、どうしてこんな問題ができないの!」「前にやったじゃない。どうして忘れちゃったの?」と子どもを責めたり、「こんなんじゃ合格できるわけがないわよ。」と言わなくてもいいことを言ったりして、泣かせて、自信を無くさせてしまう場合もあります。そういうことが何度かあると、母親の方も、妙な開き直りをしてしまうのでしょう。

第三に、「これは出るかしら?それとも、こっちの問題をやっておいたほうがいいかしら?」と、予測不能なことばかり気になり、心を惑わされて、なんとなく身が入らなくなってしまうケース。それまでは、分からない問題やできない問題を重点的に復習するという方法で学習してきたのに、直前になると入試問題が気になってきます。できれば、入試に出そうな問題に的を絞って時間をかけたいという欲も出てきます。入試に出るか出ないかなどということは、誰にもわかりません。それなのに、出題されそうかどうかが注目の的になってしまうのです。

毎日一生懸命にお勉強をして、夏休みには夏期講座も受けて、しっかりと積み上げてきた実力のある子であっても、あまり勉強をしなくなれば、やはり学力は下がります。それが1ヶ月も続けば、以前に学習したことはどんどん忘れますし、学力も落ちますから、以前よりも悪い状態で受験当日を迎えることになってしまいます。幼児は、覚えるのが驚くほど早いものですが、同時に忘れるのも意外に早いのです。
以前、受験が終わって1ヶ月くらい経ってから卒業生の母親に、「受験も無事終わり、志望校への入学も決まって安心でしょう。最近は何をして過ごしているのですか?」と尋ねたことがあります。すると、「合格してからはすっかり安心してしまって、最近はお勉強も全然しないし、ただのおバカさんに戻ってしまいましたよ。」などと笑いながら仰っていたことがありました。ここに注目です。『受験を終えて1ヶ月間何もしなかったら元に戻ってしまう』というですから、もし、受験前の1ヶ月間何もしないで入試本番を迎えるとすると、準備前の状態に戻してから受験をするということに他なりません。

受験直前の2ヶ月は、足りない部分や抜けている部分を補うと同時に、それまで積み上げてきたものにさらに磨きをかける総仕上げの時期です。入試本番を一番良い状態で迎えられるよう、準備万端整えてその日を迎えていただきたいと思います。

 

〜次回の掲載は10月17日(木)の予定です〜

 

 

 

キーワード:小学校受験