JAC幼児教育研究所

HOME > Yardage Post

見直しをする根気を育てる

2019年8月1日 09:00

 一通り終わった答案をもう一度見直すことには、いくつもの利点があります。

まず、欠落(うっかり問題を抜かしてしまうこと)がなくなります。どもは広い視界を持てないため、つい問題を見逃して通過してしまうことがよくあります。解けないから意識的に飛ばす(抜かす)のではなく、簡単に解けるはずの問題を見落としてしまうのです。てももったいない話です。その点見直しをすれば、見落としにも気づきますから、ケアレスミスを防ぐことができます。

次に、見直しが習慣化している子は、わからない問題が出てきても、それに固執することなく先へ進めます。「どうせもう一度戻ってくるんだから、そのときゆっくりやろう」と考えることができるからです。母親は「わからない問題があったら飛ばして、わかるところからやるのよ」と言いますが、見直しをする習慣のない子は、つまずいても通過する気になれず、たいていそこで止まります。もし1問目でわからない問題にぶつかってしまったら、文字通り全滅です。また、飛ばすことはできても、戻ることを忘れる子もいます。

さらに、見直しは、実際の入試でも大きなプラスになります。私立小学校には、結果もさることながら、取り組む姿勢を重視している学校も多くあります。そういう学校のテスターにとって、全部終えた後で再度見直している姿は好感度が高いものです。本来は、早く終わったならば筆記具を置き、手をひざに置いて姿勢を正して静かに待っているのが理想的ですが、なかなかそうはいきません。きょろきょろしたり、筆記具で遊んでみたりと、手持ち無沙汰で落ち着かない態度を見せることが多いものです。しかし、問題をやり終えた後でも「見直し」という為すべき作業があれば集中でき、落ち着かない態度は無くなります。

このように利点の多い見直しですが、実際に出来ている子はとても少ないように感じます。なぜなら、子どもはみんな、正しい答えを書いたつもりだからです。自分から見直しをすることなどまずありません。親が意識的に教えて初めて見直しをする子になるのです。

なお、見直しは時に、正解を不正解にしてしまうこともあります。万能ではありません。しかし、間違った答えに書き変えるのはきちんと理解していない証拠です。普段の家庭学習や模擬試験での見直しは、隠れた課題を発見できる貴重なチャンスとも考えられるのです。僅かなデメリットを恐れず、実行して欲しいと思います。
全部終わってホッとしてからもう一度最初に戻るというのは、ただでさえ根気のいる作業です。さらに、周囲の誰かが「できました!」と手を挙げれば、自分も早く手を挙げたいのが人情。その気持ちを抑えて見直しができる子にするには、見直しを習慣づけるしかありません。日頃から、「終わったら、必ず見直しをするのよ」と声を掛けるのはもちろん、時間を計るようになったら、「できた!」と声を挙げた子どもに、「早くできたわね。あと30秒あるから、見直してみようね」などと声を掛け、時間いっぱい使って見直すように導かなければなりません。それこそ、根気が必要です。しかし、この繰り返しが、「全部合っている」と思っている子に見直しをさせる根気を育てます。そうして、実際の試験でも見直しをする子になっていくのです。

 

 

 次回の掲載は8月15日(木)の予定です

キーワード:小学校受験