EXAM

2018年度
入試の傾向

考査分野別

ペーパー

雙葉では常に目線を動かしながら答えを選ぶ「位置の移動」や「話の聞き取り」が出題されました。暁星では「オセロのようなマス目ゲーム」、また白百合では「コップの向きを考える」といった、発問の意味がわからなければ正解できない問題が出題され、推理力はもちろんのこと言語の理解力も問われました。常識問題では雙葉・暁星共に「野菜の断面」を問われ、家庭生活に根付いた知識が求められました。図形では成蹊・都市大で重ね図形が出題され、イメージする力や消去法で考えていく力も必要でした。また早稲田の問題は、難易度は高くないのですが、ミスをしないでできるかという点も見られました。(四谷教室 吉岡万寿弥)

ノンペーパー

今年度は「切る」「通す」「結ぶ」といった基本的な巧緻性を見る課題や、生活能力を見る課題が多くありました。ドミニコの「食事」や昭和の「スモックの着脱」といった生活習慣に関する課題は、学校生活を送る上で「自分の事をしっかりできるか」が問われています。早稲田では「袋詰め」「食器拭き」というお手伝いの内容を通して、保護者の子育てへの取り組み方が見られていたのではないかと思います。また今年度の目新しい課題としては、学習院の「ビデオを見ながら折り紙を折る」という課題が目を引きました。思考力・巧緻性・生活能力は学業以前のことだけに、家庭でしっかりとこなせるようにしておく必要があります。(四谷教室 片野)

体操

今年度は考えながら体を動かす課題が目立ちました。暁星では「水平に設置された棒の上を越えるようにボールを投げつつ、棒の下をくぐってボールを取る」、早稲田では「飛行機の真似をしながらジグザグに動く」問題が出題されました。また学習院や東洋英和は「手を動かしながらのスキップ」、幼稚舎では「リズムに合わせながらの前後左右へのジャンプ」が出題されました。これらの反復運動は、運動の最中に体の動きを調整し上手になるよう意識することができるかが大切です。単純な運動能力だけでなく、上手くなるためにはどうしたらいいかを考える精神面まで見られるような問題が多かったのが印象的でした。(体操指導部 北角)

行動観察

今年度の考査で多く見られた課題は、4~6名前後の「小集団での共同作業」です。幼稚舎では「見本を見て、共同でコップを積む」、早稲田では「ペットボトルや大縄を使った遊び方を、グループで相談する」といった内容です。小集団では、グループの構成メンバーによって行動が左右されます。課題を理解する力に加え、「自分の意見を伝える」だけでなく「他者の意見も聞く」「意見をまとめる」「周囲がふざけていても流されない」といった様々な状況判断が必要です。どんな状況でも「自分で考えて行動できる」お子様が求められているのでしょう。(勝どき教室 山田)

面接

今年度の傾向として、保護者への質問では、学校への深い理解と第一志望かを見極めるために「説明会やオープンスクールに出席したか」、更に青山・白百合・洗足などは「何回参加したか」というようにその頻度も聞かれています。早稲田では「中高の行事参加」まで質問がありました。また「学生時代・社会人になって経験したこと、それを子どもにどう伝えたいか」という質問を通して、保護者がどのような経験をし、それを子どもにどう反映しているかといった生き方も問われていました。子どもへの質問は「どうして」を発展させていく形が定着し、暁星では子どもに志望理由を聞きました。(目白駅前教室 渡辺)

神奈川

昨年に続き湘南白百合はB日程を設け、今年度は洗足が女子の考査日をずらしたことにより併願の選択肢がさらに増え、神奈川県の多くの私立小学校で受験者数が増加しました。考査では湘南白百合が先生と一対一で行う個別形式に変わりました。面接では精華・横浜雙葉・洗足で「お父様の好きな料理」や「好きな食べ物の作り方」「料理をする時のお手伝い」、ペーパーでは慶應横浜初等部・桐蔭学園で「正しい食事の食べ方」、森村では「食事をする時に使う物」など、日常生活や家族とのかかわりに関する課題が出題されました。日頃から料理を作るお手伝いをさせたり、食事中の会話を楽しんだりしていただきたいと思います。(横浜元町教室 大岡正宙)

埼玉

埼玉県の私立小学校全てにアフタースクールが整備されたこと、また都内校の合格発表まで延納できるシステムの周知により、軒並み受験者数が増加しました。考査内容が都内校の過去問題と類似していることも併願のしやすさに拍車をかけています。そのため、見た目の倍率よりも合格ラインが上がっていると感じます。また、埼玉校は集団行動観察を非常に重視する傾向があり、都内校を目指す高学力の子でも、そこが最後の関所となり合否の明暗を分けることになりました。埼玉校は10月以降に2回目・3回目の考査を行いますが、倍率も合格ラインもアップするので、第1回から受験することをお薦めします。(浦和教室 原)

幼稚園

港区のいくつかの幼稚園では、考査面接の際に「港区地区に住んでいる子どもの数が多い」という話が園側から出ており、出願者の増加を幼稚園側は強く意識しているように感じました。そのため、より園の考え方に合うご家庭が求められたのではないでしょうか。また、多くの幼稚園で、面接の際、願書からご家庭の様子を細かく質問されています。特に昨年度と同様、父親がいかに子育てに関わっているか、父としての観点を持っているかが問われました。考査では、子どもの様子を通して家庭での様子や親の躾を見られ、親子考査でも子どものみで遊ぶ園が増え、普段のお子様の様子を知りたいという幼稚園側の考えがあったように思います。毎年の事ですが、日頃から丁寧に躾をしているご家庭が求められていると思います。(広尾教室 舟木)