第1回 星野学園小学校
(取材:2007年5月)
―まず、小学校設立の経緯からお聞かせください。

星野学園が創立100周年を迎えた後に中学校を開校し、そのときから小学校の設立を考えました。といいますのも、やはり我が校が理想とする全人教育を実践するには、学校教育と家庭教育をより調和させていく必要があると考えたからです。そして8年の年月をかけて小学校の設立に取り組み、おかげさまで星野学園の創立110年という記念すべき年に、小学校を開校することができました。
―御校が理想とする教育・理想とする学生像についてもう少しお聞かせください。
はい。知識偏重ではなく、人間としてのモラル、体力、精神力をバランスよく兼ね備えた人づくりを目指しています。これらの要素がそろえば国際社会にあっても日本人として立派にリーダーシップを発揮していけるものと思います。けれども中学・高校の生徒たちを教えていて感じることは、「規則正しい生活習慣が出来ていない子どもたちを教育するのは非常に難しい」ということです。早起きの習慣や、挨拶、勉強する際の姿勢などは全人教育の基本であり、幼いうちから身につければ、一生の財産になります。その意味でも早い時期からの親御さんとの連携が欠かせないと考えました。
また、学力に関しては、どの子にも得手・不得手がありますから画一的な詰め込み教育に賛同しているわけではありません。とはいえ進学率や有名大学への合格者数は親御さんにとって学校判断のわかりやすい指標になりますから、そちらにも注力していますが、一人ひとりの子どもがそれぞれに得意な分野をみつけてその才能を伸ばせるような環境づくりをしています。
―星野学園では開校以来、一人も退学者を出していないと伺っています。
そのとおりです。問題を起こした子がいれば退学させる――というのが学校側にとってもっとも手のかからない方法です。しかしそれは子どもを教育する立場の当事者自らが責任を放棄するのに等しいと考えますし、子どもの反省の機会が失われます。そして放校された子は別の学校でまた問題を起こしてしまうかもしれません。せっかく縁があって星野学園に入ったお子さんですから、正しい道を歩んで欲しいのです。悪い行いを反省させるためには、子どもを許すことが必要です。そして問題の原因を追求し、二度と同じ過ちをその子が犯さないように教育するのが学校の役割です。これは放任主義とは異なります。
「感謝と反省の心」は幼いときから育むべきものです。小学校の一回生を迎え、最初の道徳の時間に反省の重要性について話をしました。少し難しいかなと思いましたが、子どもたちに作文を書かせたところ、子どもなりに反省点を見つけていることがわかり、大変嬉しく思いました。このような教育を幼いうちから行う意義は大きいと感じています。



